786

復活祭の飾り付けをしようと思ったのに あのカラフルな羽根がもうどこにも売っていない 仕方がないので 家にあった餅をこねてつけることにした 紅も混ぜて 白いのと互い違いにつけたら 正月飾りになった

ウサギの形をしたチョコレートを手にした子供「どうして卵とウサギなの」と尋ねる 「それはね坊や ウサギは一羽 二羽と数えるでしょう」 「へぇ 僕ウサギの卵見たことないや」

わたしだって見たこと無いわよ

 

ギムナジウムで飼っていたウサギが死んだとき 体育館裏へ埋めに行ったら 白いちいさな卵の殻が落ちていて 誰かが「蛇の卵だ」と言った 恐らくそれは本当にそうだったのだと思う

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785

愛されることは難しいけど 愛することは出来る 或いは愛されていることが前提であるので 信じていれば その存在を心の何処かにおいておけば きっと安らかに眠ることが出来るだろう 闇の中で目を覚まし震えることもなく 遠い山並みから朝陽がのぼり 空が白んでゆくときまでずっと 穏やかに

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784

透明のビニル傘に花弁がくっついて ちいさな模様が出来ているのは綺麗だと思う 霧のような雨には 花の色がうつり ロゼ・アンペリアルの雫のように輝いている 草の上で私たちは春の訪れに祝杯を捧げた

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783

フランス語の辞書を買ったので 目についたフランス語っぽい単語を調べるようにしている

可愛い雑貨屋さんの柔らかなビニール袋に書かれていたのは 日本語と同じ意味の花の名前だった そのしたに書かれた mon jardin secret という言葉 わたしの秘密 どんな秘密 あるいは秘密の何か 答えは jardin のページにあった

 

わたしの秘密の庭には 誰も入れてはいけない 自分でさえも入ってはいけない どれほど注意深く歩いたとしても 草を踏み躙ることになるから

 

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782

雨の匂い

錆びた欄干沿い

湿った草叢の柔らかさよ

 

花びらが散る

風が吹くたびに

揺れる木から

はらはらと追われるように落ちる

川はもう水門の柵が

薄紅色で一杯に押されて

それでも開けられることはないけれど

沈むことも出来ないで

揺蕩うばかりで夜は更ける

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781

高級な出汁を使ったら味噌スープが料亭の味になった えーそんな まさか ほんとなんだなこれが どこの国でも その地域の美味しいものがあるけど 味噌スープが美味しく頂けるのってほんと幸せ でも小籠包は台灣で 玉葱スープはクラクフが一番だと思うし ストックホルムにいるママが作り置きした冷凍の肉団子も大好き 食欲も性欲も我慢するから 適当に済ませたくない 限られた時間の中でより良いものを味わいたい 寝るのは好きだけど 本当は眠るのが惜しい 身体がついて来れないだけで どうしようもなく眠い

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780

とても愛されていることを伝えられたとき それに応じられるだけのことが出来なくて 初めて妥協という言葉の意味を知った そんなことしたって何にもならない わたしには身籠もる資格もない

過ぎてから初めて その季節が儚く 美しかったことに気づいて悔やむのだと言われるけれど 他人に言われなくても 案外わかっているもので ただ渦の中ではどうすることも出来ないだけなのだ 

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779

ハイスクールで教師からスカートの長さと髪の色をしつこく確認されていた彼女たちの多くは なぜか秘密を話したがった 誰にも言わないで欲しいという言葉のままに わたしはなにも言わないで しばらくの間だけ記憶したあと すぐに忘れたしまうから 秘密を打ち明けるのに適していたのかもしれない それとも誰にでも 言わないで欲しいと言いながら話していたのか 今となってはどうだっていいことばかりだけど みんな それほど悪い子ではなかった 臆病なだけで本当の悪党なんてものには なかなかなれないんだ

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778

梅と桜の花が一度に咲いたので それを眺めながら八朔を食べた 迷える羊が来たなら ひときれ分けてやってもいいなと思えるほど 気分が良かったけれど 誰も来なかった そういう場所なのだ 

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777

嘘ばかり書いているので、エイプリルフールの今日は本当のことを書きます。

告知です。次の金曜日、久々に出演させて頂きますので、ぜひお越し下さい。

 

***Friday 7th April 2017 ***
大阪 関目FLEX ⋆ TOY BOX vol.27
Start 20:00 Charge ¥1000 (1 drink付)

出演 🌸くるみ、タムラアスカ、待子あかね、水銀 (順不同) 

 

詩を書き始めたのは小学生の頃でしたが、初めて人前で詩を読んだのは19歳の頃でした。その後は就職などで忙しく詩から離れていましたが、2年前友人が主催していたオープンマイクに参加したのをきっかけに朗読イベントへの出演依頼を頂けるようになりました。

友人にも、イベントに呼んで下さる詩人の方々にも、お越し下さるお客さまにも感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

 

運命の日は、ある意味では毎日がそうであるし、奇跡だっていつも何処かで起きているのですが、朗読を聴いてくださった方が、何かしら良い気持ちになってもらえたらとても素敵だし、或いは自分もやりたいとか、何かを考えたり想ったりするきっかけになれば嬉しく思います。

BAR FLEXは京阪関目駅から徒歩3分、時間もゆっくり20時スタートです。いつもお越し下さる方も、まだ行ったことがない方もお待ちしております。春の宵を一緒に楽しみましょう!

 

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