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ロックスターになって27クラブに入るつもりだったのに、私には音楽的センスが無く、死のうと思うたびに、必ず邪魔が入ってしまったので、とうとう生きながらえてしまった.

まだ、その時でも、その場所にも来ていないという事なのだろう.


死んでしまった友人や、家族や、付けられなかった名前の事を想う. 肌を滑り落ちる絹の下着のような速さで、幾つもの屍重なる夜を越えてゆく日々は弔いであり、祈りにも似て、私は虚構と非虚構のあいだを生きるしかない.