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モスコミュールを光に透かすと美しい琥珀色が バルト海に溶け出したので 灯台に隠れてひっそりと罪を犯した  火を差し出した彼は共犯者であり 目撃者であり つまり私たちは細やかな秘密を共有したのだった 


何も知らない素振りで 凍てついた石畳の道を歩きながら 穏やかではなかった ふたりの見た憧憬が朝陽によって照らし出されることを恐れていたからだ 咎められることより 罰を受けることよりも いずれ曝し出されて損なわれることが 耐えられなかった私は 波止場から身を投げた 


もうずっと遠いむかしのことだ と 彼女は笑った