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Aと一緒に暮らすことになったのはBではなく私であったかもしれないことはつまり Aが与えた愛は私のものであったし Bの受けた仕打ちは 私が受けるものであった


私とBは殆ど面識が無いにも関わらず 非道く打ちのめされたような気持ちになったのは 私自身をBと重ねてしまったから だとすれば 流した涙は誰の為だったのだろうか 誰も望んではいなかった Aさえも 予測は出来た筈だった けれど上手くいかなかった 何度でもリセットして やり直すことは可能だろうか それ程長い時間はもう残されてはいないし 無かったことにするには あまりに多くのBがいるのだった