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昼頃に電話で件の花瓶は在庫切れとの連絡を受ける. 残念だが、いつかまた縁があれば私の元へ来るだろう.


あの美しい曲線を描いた花瓶と出会ったのは16歳の頃だった. 当時の私は透明な硝子よりも色彩が豊富な樹脂を好んでいたから、然程気に入ってもいなかったのだけれど、一昨年頃、部屋に花を飾るようになったときに思い出したのだった. 北欧の海岸線に似た滑らかな硝子の花瓶は、切り取られた花を一層瑞々しく飾ることが出来るかたちをしていた. 勿論、どんな花器でも活けられた花は美しいけれど、それは、特別だったのだ.

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