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初めてRと一緒に海水浴へ行ったとき 彼女はまだ15歳で しなやかな筋肉のついた肢体を陽光のもとに曝け出し 瑞々しい肌は 砂の上で一層白く 美しかった 私もいつか 彼女のように成長していくのだろうと 信じて疑わなかったのに その次の夏 病に冒されたRは帰らぬ人となった

いつだって海岸は賑やかで 孤独で 波は命を運んだり 浚っていったりするけど 色鮮やかな日傘の下で 寝転ぶあの子はもうずっと前からいない

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