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川縁の砂利道はもう何十年も前から 季節が巡る以外に様子がほとんど変わらなかった 今年もまた蚊柱があちこちに立ち お喋りに夢中になった子供たちが 自転車に乗ったまま その中へ突っ込んでしまい きゃあきゃあと騒ぎ また笑いながら通り過ぎてゆく かつては私も そのようにして 希望や夢に向かって 自転車を漕いでいたはずだった