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空に五線譜と檸檬

部屋から酒瓶と刃物が隠されて久しい

痺れるような時代だった なにもかもが新鮮で 朝露のように きらきらと輝いて 割れた硝子の欠片のように 危なかった なにものでもなかったから なににでもなれる 可能性だってあった しなやかに 健やかに 育ってゆける筈だった

陽が沈んで尚午睡 きっともう 醒めることのない土曜日
敗戦の記憶

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