2015-08-22 189 Fiktion 空に五線譜と檸檬部屋から酒瓶と刃物が隠されて久しい痺れるような時代だった なにもかもが新鮮で 朝露のように きらきらと輝いて 割れた硝子の欠片のように 危なかった なにものでもなかったから なににでもなれる 可能性だってあった しなやかに 健やかに 育ってゆける筈だった陽が沈んで尚午睡 きっともう 醒めることのない土曜日敗戦の記憶