2015-09-08 206 Fiktion 君はもう 新しい歌を探すのはやめたというなんだか酷く疲れてしまって と溜息を吐きながら僕は曖昧に頷きながら 車窓を流れてゆく景色を横目で見送った座席と平行に並んだ汽車の窓から見えるのは 目の前の景色だけだ過ぎ去った時間と同じように水脈を共にした君と僕は やがて別のせせらぎとなりまた同じ海で出会えるのだろうかそのとき君がまた歌をうたっていたら佳いと思う