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ヴォトカ流れる河のほとりで

Das Tagebuch der Lily Mercury

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夏 あるいは南のほう 暑い国にいる夢を見た 校舎のような鉄筋の建物は 窓から緑が溢れ出し 果たしてそこは 外なのか 内なのか わたしは友人を追いかけているが 階段を降りてきた葬列と遭遇してしまい 彼がその中の香炉かなにかを運ぶ女とぶつかり 白っぽい土の上に ひっくり返したのを わたしが拾う手伝いをすることになって 見失ってしまった 賑やかで 死者が出たと思えないほど 楽しそうな葬式だった それから 海が見える家に行った 透けるような青い海で 網のような白い波が時々見えた わたしはしばしば海に憧れている 中東の海は 防波堤から水面を覗くと 岩に大きな雲丹がたくさんついているのが見えた 朝陽が昇ると 鳥は羽搏き囀って 花は咲き乱れ 棗椰子は甘く実った わたしは禁じられた煙草をのみ 強い酒をこっそりと啜った この暑さでは 喉から全身 灼けてしまいそうだった

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