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軽い気持ちで生きていられたら良いのに と彼女は頬杖をつきながら 溜息をつく どうして私の肉体が欲しいだけなのに 色んな御託を並べて誘うの 尤もらしい理由が必要なのはなぜ 無理矢理にわたしの心まで愛さなくたっていい わたしだって誰も愛してなんかいないのだから そこまで言って彼女は煙草に火をつけた わたしは そうだね と言って やはり煙草をのんだ
吸殻に残った口紅の色だけが鮮やかだった
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