359

あなたは流れるように生きているので捕まえられない

死にたがりの夜は真っ赤で寒い 錆びた臭いが充満しているけれど 手脚が痺れて動けない 死にたがりは朝を知らない そんなものは永遠に来ないから
地下道は水浸し 何年も前から修理されないまま あなたは排水口から一瞬姿を見せては また 何処かへ行ってしまう 彼女は濡れて錆び付いた魚とり網を振り回す なんにもすくえないのに 液状化したあなたの生活