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3時間おきに眼が醒めてしまう ヴォトカを飲んでおけば良かったかもしれない しかしこういうときにはいずれにせよ眼が醒めてしまうものだし 嫌な夢さえもみるものなのだった

 

まだ女給をつとめていたとき 海外から来ていたひとと知り合い しばらくメールと手紙でやり取りを続けて わたしが仕事を辞めてから一度だけ 再会したことがある その夜 彼はわたしと出会った料亭にて接待を受ける予定であったのだけど 断って一緒に珈琲店で過ごしてくれたのだった

その後も彼と連絡を続けていたが 月日が経つにつれ疎遠になった しかしいまも 緑の山野に臨む古都から 世界中を飛びまわりながら働き ときにはクロアチアベネツィアで家族と余暇を楽しんでいるだろう そうであることを願いながら 再びわたしは浅い眠りにおちた 夢はもう見なかった

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