家人が 向かいの家の玄関に
ミモザが咲いていると言うので 見に行ったら
レンギョウだった 確かに黄色い
廊下と階段に掃除機をかけ 自室の窓を拭く 断捨離が生きるための行為であれば 身辺整理は死に向かうための行為であるのだが わたしにとってはどちらも同じことだ 百貨店の紙袋が散乱した部屋で 行ったり来たりしながら また戻ってくる 電話がなり 遠くの友人から生きていた報せ まだその時は来ていないのだ 彼も わたしも
玄関に飾った
ミモザは既に黄色いままで枯れかけて 羊歯に似た歯だけが青々としたまま項垂れ それはそれで美しく くすんだ色味は春の雨に似ている