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殺さないで退屈 時間が溶け出す アイスクリームで出来てるの わたしの身体 いつだって 忘れた頃にやってくる 夕方の公園で 鐘を鳴らして遊んだ 冬のおわり 一斉に飛び立った鳩の群は 試験用紙で折られた無数の夢だったんだ

夢だったんだ


ブーケガルニとクスクスを買ったから 今夜はパリジェンヌになれるね」なんて「茹でてから 薄紅色のサーモンと なにか新鮮な柑橘類を一緒に混ぜて あとブラックオリーブとか ケーパーも入れるの なんだかよくわかんないんだけど すっごく美味しい 時々食べてたの あっちに居た時に」彼女はマッシュルームを品定めしながら笑う わたしはそれをとても愛しいと思う 彼女は薬罐のお湯だって沸かすことが出来ない 厳密に言えば 台所にある あらゆる種類のスイッチを押すこと 扉を開けることを禁じられているのだった 


揺らぐ炎を眺めながら あなたの指先が溶けてゆくのを感じる

ねぇ そういう 夢だったんだ 



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