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お金で買えるしあわせならば買えばいいけれど


「どうしても僕が欲しいなら3億用意して」
そう言ってから「無理でしょ?だから僕は誰にも縛られたくないからそう答える」と彼は続けた けれど たとえ3億円がつまれても 彼は自由を選ぶだろう 孤独なのだ シベリアの荒野よりもずっと なにもない


「買えないしあわせで 心が満たされたら やがては花も咲くのだろうか」
溜め息をつく彼の踵のすぐ横に ちいさな花が蕾をふるわせているのを わたしは黙って見つめた じきに咲くだろう 踏みつけてしまうまえに 気づきますように

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