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止まったままの時計の針をすすめるのは わたしでも 神さまでも 誰でもなく あなた自身の指で 幸福な思い出は 桃色の霞のなかに溶けて 待ち侘びても戻らない ひとりぼっちになった あなたの肉体が 宇宙と混じることは出来ないが 代わりに 太陽のひかりや 熱さを感じたり 樹々が蒼さを深めてゆくのを眺めることは可能であり つまり 震える指で 螺子さえまけば また 歩みをはじめることが出来るのだ 準備さえ整えば いつでも
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