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古い白黒写真を納屋で見つけたとき かつて愛した男と 写真の男があまりにもよく似ていたので 驚きのあまり手が震えたが  煙草をくわえて 草むらに座る長髪の若者は 若き日の父であった 今では遠くへいってしまったあの人と よく似た眼差しで ひどく悲しくなった


生粋の放浪者である父は 結婚すべきではなかった つまりわたしは生まれるべきではなかったし 誰を愛する資格も持てないのだった

父も彼も とうに煙草を辞めてしまった 今でも喫むのはわたしだけだ 煙と眩暈だけが まぶしい太陽のように愛しい
 
 
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