2016-04-30 441 Fiktion サイレンが聞こえる窓の隙間から吹き込む風が カーテンを揺らす 清潔なシーツに取り替えられたベッドは わたしの心を落ち着かせてくれる 消毒液のにおい 囁き声 肉体のかたちを保ったまま わたし自身は液体のように流れ出してゆく いつか何処かへ消えた あの子が戻ってくるだろう