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毎日 まいにち 空調のあまりよくない部屋で 天井か 窓の外ばかりを眺めている 景色は悪くない ただし硝子窓を開けると 往来の排気ガスやら 埃やらが 騒音と共に一気に入ってきてしまう この街に来てからというもの 暑さで食欲がなく 体重が減ったのにくわえて すっかり口数まで減ってしまった

仕事が落ち着けば クルージングに行こうと言われたが 行き先は白い波がたつ避暑地の海ではなく 巨大な葉の覆い茂る 樹々が迫るように生えたジャングルのなかを流れる川なので すこしばかり不安だ そこにヴォトカは流れてはいない ビールにだって氷を入れて飲む国なのだ