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半夏生に出掛けたカフェの女主人は 薄紅色のワンピースに生成りのフラットシューズ 遠くの窓辺に立ち テーブルクロスを直している 冷たいコーヒーが退屈なのは どれも同じグラスに注がれているから 温かいコーヒーは ぜんぶ違う絵柄の陶器のなかで 湯気を上げるのが好い 空調の効いた部屋 高い天井を見上げ 深呼吸しながら あなたがいない夏を思う

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