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知らない町へ行って 知らない人たちと 知らない海で遊んだ 知らない魚がたくさん泳いでいて 知らないなまえの料理を食べさせてもらった それらは少し焦げすぎていたけれど とても良い具合に調理され 噛むとくちのなかいっぱいに熱い汁が溢れた はるか昔 兄が教えてくれた町は 有名な画家が描いた絵に咲く向日葵 あの花瓶に生けられた くすんだ黄色い花が あちらこちらに咲いていて まるで夢みたいだった 兄はもうどこにもいないけれど 夏はまたやってくる 過ぎても 何度でも

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