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何かが起こるのはいつも突然のことで 幸も不幸も一度にやってきたり 去って行ったりする 彼女が死んだのは何年か前の夏至の頃だったのに 誕生日が来るたびに SNSのタイムラインには去年と同じ顔ぶれが並び 「お誕生日 おめでとう!」と書き込まれていて わたしは馬鹿じゃねーの と思う


馬鹿じゃねーの
彼女のタイムラインを少し遡れば その情報は明らかにされているけれど 彼らがその事実を知りながらも尚 書き込んでいるとは思えない バースデー・リマインダーなんてシステムのせいで 「おはようございます!今日も素晴らしい一日でありますように!」と書き込むように お祝いをいうことに何の意味があるのだろう そういうのは ほんとうに苦しい 彼女はもう齢をとることはないのに 何がおめでたいというの 何度誕生日を迎えても永遠に 写真のなかの彼女には皺も白髪も増えることはない いつかわたしは彼女の齢を追い越すだろう 先に逝った友人たち同様に わたしが生きている限り
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