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台所の椅子に座った彼女は固いリボンの結び目を 爪でそっとつまみながら解くのに四苦八苦している その次はきっと 包装紙が綺麗に開けられるよう やはり爪を使って 紙が破れないように注意深くセロファンテープを剥がしてから開け 折り目を伸ばして それからやっと箱を開けるだろう そういう女なのだ
白い紙箱は黒のラインで縁取られ 完璧な立方体として彼女の手の中におさまっている 端正な直線から封を開ければ 透明な水が詰まったガラス瓶 新しいパルファムは 瑞々しくあって 微睡むことを知らない枯れることのない花 
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