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ヴォトカ流れる河のほとりで

Das Tagebuch der Lily Mercury

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街の隅にあるちいさな映画館 あなたはまだ覚えているだろうか 地下街で待ち合わせて ふたりで食事をとり (その店はもうない) 歩いて訪れた 遊技場の二階にあるこじんまりとした映画館のこと そこで見たチェコスロバキアの 燻んだ しかし鮮やかな色彩の映像 郷愁をさそう音楽と あらゆる希望を破壊してゆく爆撃音を わたしは決して忘れることはないだろう 帰り道に感じた 排気ガスが混じった生温い夜の匂いや 繋がなかった手を ひとりで握りながら 少し離れて歩いた寂しさのことも
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