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光のなかに立つ彼を見つめながら解ったことは わたしは誰も愛してはいなかったことで 彼らもまた同じ気持ちでいたであろうということ 悲しいことではない 傍目にはそれが愛であるとも言えたし そう信じることだって出来た

いつかの夜 助手席に座りながら彼は 好きというのは "Je t'adore." じゃなくて "Je t'aime." だよ と言った
わたしがどうして愛してるなど言えただろうか

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