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部屋に舞い込んできたのは渡り鳥だった 冬に飛来する種類で 鮮やかな羽色は雄であるためらしい 群青のちいさな翼で 小部屋のなかをぐるぐると飛び回った ちいさな声で囀りながら 何度も

あの人から連絡が来たのは 予定されていたことなのか わたしは運命を信じない 星の巡りを信じない 不確かな未来を信じない すべては神さまの手に委ねられている 愛も絶望も 生死すらも
笑えよ 
手に入れようなんて考えてはいないから


ほどなくして小鳥は窓からまた飛び立った 何処へでもゆけばいい そのちいさな美しい翼で
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