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ヴォトカ流れる河のほとりで

Das Tagebuch der Lily Mercury

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服屋の店員は何処かの劇団の座長みたいに慇懃な笑いかたをしながら 手もみをしていたけど  給料3ヶ月分くらいのドレスは 本物の毛皮みたいに毛並のよいプリントで とてもかろやかな生地をたっぷりつかい 歩くたびに裾からアンダースカートのレースが覗くということだった
このドレスが似合うひとは 一体どの坂を下り どの街角を曲がってくるのだろう カンヌのレッドカーペットなら とてもよく似合うと思うけど いいえ それ以外の場所の何処も駄目 でも結局のところ 主演女優ではなく 何処かの奥方がカードを切っていくんだろう わたしの知らない世界で着られているドレスだけが わたしのいる世界で踊っている なんと不思議!
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