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 ウルリーケにも グレートヒェンにもなれなかったわたしの春 通り過ぎていった季節 美しかったはずのひと時 わたしはあなたを愛していた 心から崇め 敬っていた そして畏れていた どれほど近くで話していたとしても 階段教室の教壇と座席のような関係ではなく 選ばれた学生だけが入室を許された狭い研究室における関係であっても あまりにも愛しすぎていたのだ

 

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