Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

ヴォトカ流れる河のほとりで

Das Tagebuch der Lily Mercury

774

お互いに名前を覚えていなかったので 彼はわたしを "du" と呼び わたしもやはり "du" と呼んでいたのだった 人称代名詞や 愛称ではなく 今更確認して名前を呼ぶのはなんとなく躊躇われたので あるときベッドの上でわたしは "Herr Niemand" と呼んだら 彼は驚いたような顔をして 消えてしまったので 間違って呼ばれて傷ついてしまったのかもしれないし もしかしたら それがほんとうの名前で

或いは はじめから誰もいなかった

Remove all ads