Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

ヴォトカ流れる河のほとりで

Das Tagebuch der Lily Mercury

776

新しく建設されるマンションは 屋上に山があり その上に霊廟があるので 住人なら鬼籍に入ったとき誰でもその霊廟に祀られるということだった 墓参りは不要 清掃業者が毎日 掃除に来てくれる そもそも一人ずつに卒塔婆や墓標があるのではなく 大きな祠に骨を納められるのだから ある意味ではみな同じ墓に入るということになる 住民はみな同じ信仰の対象をもっているのだろうか 或いは自殺者もそこに入ることを許可されているのか 考えていたら目に入った謳い文句 望むものなら誰でも結構! 扉を叩くものだけが中に入れるのです

 

いつだったか 歩いていたら四ツ谷の地下納骨堂に辿り着いたことを思い出した どうしてそこへ行ったのか どのような道順で行き着いたのか まるでわからなかった そもそも隣にいたのが誰なのかも憶えていない ずっと手を繋いでいたはずなのに

 

マンションのチラシを古紙回収に出したところで目が覚めた 夜明だ

Remove all ads