2017-04-06 782 Fiktion 雨の匂い 錆びた欄干沿い 湿った草叢の柔らかさよ 花びらが散る 風が吹くたびに 揺れる木から はらはらと追われるように落ちる 川はもう水門の柵が 薄紅色で一杯に押されて それでも開けられることはないけれど 沈むことも出来ないで揺蕩うばかりで夜は更ける