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ヴォトカ流れる河のほとりで

Das Tagebuch der Lily Mercury

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ツツジの植えられた花壇の傍を通りながら 「子供の頃よく蜜を吸ったわ」と彼女は懐かしそうに言った 「今も吸いたい?」立ち止まって濃いピンク色の花弁を摘むと 雌蕊や雄蕊を残してつるりと抜けた 根元に触れると透明な糸が つぅとひいた 「駄目よ 勝手に千切ってはいけないわ」

彼女は僕の手首を掴み 花弁と指先を舐めた 紛れもなく僕たちが罪を犯した瞬間だった

 

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