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靴を売った 酷く傷んでいたので ほとんど値段はつかなかったのは仕方がない 随分前に古着屋で買ったとき 既に傷だらけだったのが 今度こそ本当にぼろぼろになってしまった 或いは捨てるべきだったのだけど 長年履いた靴を一体どのように処分すべきかわからなかったのだ 値段交渉にこれっぽちも応じる気がない店員から銀貨を1枚もらうと 店を出て 絶対にうしろを振り返らなかった そうするのが最善だと思われたからだ