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通り過ぎていった一瞬の 事実が生成されるまでの長い 長い時間が 弾ける泡みたいな 溶けてった雪みたいな なにか

 

手紙を書かなかった 今日も

明日も書かないだろう


宛名の無い手紙が重なるのと 何も重ならないことと 泡を作ることと 雪を降らせること インク壺のなかで微睡めよ ペンを握るときが来るまで