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緩やかに死んでいった午後の湿り気が 花瓶のなかで腐ってゆく 熱くなった粘液で滑りながら 肉は音を立てながら破れて 傷ついたまま何でもなかった振りをすることを咎めないでほしい

 

要求はどんどん増えて いまでは本当に望んでいたかどうかすらわからない 日灼けした褐色の肌で覆われたしなやかな筋肉を確かに愛してはいたのだけど あなたの顔がやっぱり思い出せない 彫刻のように美しい横顔も 憂いを含んだ眼差しのことも

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