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あたらしい言葉をいくつ覚えても わたしは誰にもなれないし あなたと愛しあうことだってない 同じ時代 同じ国に生まれて 同じ空の下に育ったのに 一度も理解しあうことが出来なかった ふたりの意識 氷が溶けた北極 密林になった砂漠 決して交じり合うことがない肉体のように わたしたちの間は轟々と激しい音を立てる流れで断たれている しかしその流れとなる日はいつか来るのだ あらゆる苦痛や欲望から流れたその果てで