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杏の木を伐った 鋸で手首くらいの太さがある枝を落としながら樅木を買いに行ったときのことを思い出していた 生協の店で注文してあったのを車で取りに行き 帰りに中華料理店で名前を知らない赤っぽい煮込み料理のようなものを買って帰った 酢豚ではなかったと思う 家について 飾りつけをしていたら 誰かが写真を撮っていたのだけど あとから見るとその日のわたしときたら少しも笑っていなくて ああ 楽しかったはずなのに まるで表情がなかった 冬のせいだ