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薄暗くなりつつある部屋 日没の刻が近い けれども曇りでは知らぬ間に夜が来ている 吐く息は白くただよい 指先は赤くかじかむ

少し厚めのタイツで頸を括って締めると むかし部屋で騎乗位になり首を絞めた男のことを思い出して そのとき彼はわたしの首を締めはしなかったのに 何故だかじっと大人しく目を閉じて観念したようにしていただけだったのに

夏に殺そうとしたひとは 黙ってわたしの首を絞め返したので わたしは死んでしまった いつだってそうだ 生と死はチョコレートミントのアイスクリームのように混じり合い溶けてゆく 殺す気なんてないんだ ずっと側にいてほしいだけだったのに どうしたってうまくゆかない

 

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