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電車を乗り継ぎ2時間かけて出かけたら ひどく疲れてしまった 恐らくもう二度とあの駅を降りることはない 特に何もない街だった わたしの暮らす街と同じように またはクラスであまり仲が良くない友達に数合わせで呼ばれた誕生日会のように居心地が悪いところだった 拒まれることも歓迎されることもない曖昧な雰囲気 女はぺちゃくちゃ喋り 男の靴は底が剥がれて歩くたびにずるりずるりと音を立て 首輪をした犬だけが静かにしていた