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数年前 初めて本物のミモザをみたとき とても嬉しかったのを今でもよく覚えている 断食月のすこしまえ 砂埃が舞う乾いたアフリカの土地を訪れ そのホテルの近くに生えていたそれはまるで光の滝のように黄色く輝き 枝垂れていたのだ

 

突き抜ける高い空の青 ひんやりとした土の壁 シャンデリアが煌めく食堂では大きな蝿がぶんぶん飛びまわり 笑顔がすてきな背の高い給仕が果汁100%のフレッシュ・オレンジジュースを運んでくる(アルコールを控えていたので これしか飲むことが出来なかった!) それから旅行中 ほぼ毎日のようにプールで泳いだ そうするべきだと思ったから

 

当時わたしはミモザを伝聞でしか知らなかったので その愛らしい黄色の花がミモザである確信が持てなかった それからまた数年後に今度は日本の生花店の店先に並んだものを見て 同じアカシアの仲間であることがわかった 今年もひと枝手に入ったことを嬉しく思う