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春一番とともに 兄帰るの報せ 東の街から実に7年の任期を経て帰ってくるのだ この間じつに長いようでいて短かった 飼っていたメダカはすべて死んでしまったけれど 蘭鋳はやたら大きく育ち 広かったはずの水槽の中で優雅に尾鰭を揺らしたり 泳いだりしている もう幾つになったのだろう 5歳年上なのだから本当はわかっているのだけど時が止まったままなのだ わたしのことを駅で見つけてくれるだろうか 髪が伸びて もう日焼けもしていないわたしを見つけて 昔のように撫でてくれるだろうか

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