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小柄で手足は枝のように細いけれど よく歩くし 短い金髪は柔らかくて 白い肌によく似合っていた カリフォルニア・ガールの名前を思い出せなくて 考えているうちに 髪をお揃いに編んでくれたことや 歴史博物館では露骨に退屈そうな欠伸をしたこと カジノへゆくためにリトルブラックドレスに身を包み 大きなサングラスをかけた様子はまるでキャメロン・ディアスのように素敵だったこと そしてホテルの部屋でスカートを貸してあげたら無理やりチュニック風に着ようとしてウエストのホックを壊してしまい そのまま悪びれることもなく返してきたので仕方ないなぁと呆れたことまで思い出し そのホテルの部屋の窓から彼女に失恋したドイツ人が 「なぜコートニーは俺を愛してくれないんだ!」と酔っ払って叫んでいるのを見て ますます嫌そうな顔をした記憶が蘇った そうだ コートニーだった