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ひどい天気だった いまも続いている

あの人はわたしに 骨がほしいかと言った わたしは 先に死なないでほしいと答えた もしその日が来たならば いつか舟に乗って迎えにゆき その時こそ骨を頂戴と言うだろう

先に逝ったひとの骨は 海に撒かれてしまったので珊瑚になった 白い砂から生える骨 わたしは浜辺で鰻を食べた 夕陽が沈まない曇りの日だった