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頸筋 のことを思い出した 陽に灼けた褐色の肌が滑らかな彫刻のように美しく 汗の匂いとも 整髪料の匂いとも違う 熱っぽいが穏やかな匂いがした 頸筋を舌で伝い鎖骨の窪みに到達すると 彼女は同じように唇と舌を使ってわたしの頸筋から鎖骨へと愛撫した そのような朝のことを 思い出していた