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男の顔は履歴書とか 30歳の顔は生き様とか言えど 見た目なんてそれほど重要ではなかったはずなのに なんだか一気に冷めてしまって なんてことだろう あの人はもうかつてのように嵐に立ち向かうことも 青々と広がる海に帆を張って船出することもしない だろう いや出会ったときからそんな人ではなかったかもしれない わたしが勝手に夢をみていただけなのだ 魔法が解けてわたしは空の色を思い出した 太陽の眩しいことよ