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微睡んだまま手脚を動かし 俯せの体勢から膝を腹の方へ寄せて腕を頭のほうへ伸ばし 猫のように伸びをする 右へ 左へ 肩を鳴らしながら さっき見ていた景色が夢だったんだと朧げに思い出して 少しだけ安堵した あまりに深く 透明な海と そのなかを泳いでゆく沢山の魚の群れのこと 夢で見る海はいつも透き通った翡翠色をしているし 魚は銀色の鱗を持っている