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また嵐が近づいているので ボルシチを作ってパンを焼いておこうと思う 新鮮なセロリが手に入れば良いのだけど

詩を書かなくなるのは何故だろうと聞かれた彼女は 生活を営むことに専念するからじゃないのと答えた 食べるのが楽しみになる美味しいご飯を作ること 床と窓からを磨き 部屋を綺麗に保つこと ゆったり休む為のぱりっとした白いシーツを敷いたベッドを用意すること そういうことに専念していたら時間がないのよ でも書かなくなるわけじゃないわ その時に感じた衝動を忘れさえしなければいつだって書くことが出来るから そう言って彼女は辞めたはずの煙草に火をつけた 夜明けは近い