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ニルゲンドヴォに秋が来たというので 遊びに行くと 村の入り口でちいさな妖精たちが赤やオレンジ 茶色のペンキで汚れた服でふざけていた どうやら樅木を紅葉させようとしていたらしいが あまりに背が高いので諦めて地面に手形を付けて落ち葉が積もっているようにしてきたらしい そんな馬鹿なことをしてはいけないと窘めると げらげら笑いながら秋桜畑の方へ行き 大きな声で花占いをし始めた
すき きらい すき きらい すき きらい すき すき!
げらげら笑い転げて また花びらをちぎる
すき きらい すき きらい きらい すき きらい すき!
何度やっても好きで終わらせるのだった

呆れて家に入ると 妹が真剣な表情で菊の花をむしっていた すき きらい すき きらい… こちらはだいぶ時間がかかりそうだったけれど やはり最後のほうでずるをして 2枚一緒にちぎって好きで終わらせていた
花びらはその日の夕食に出たスープと浮かんでいた