1390

昼過ぎ 窓の外をふと見たら 銀杏並木が陽射しできらめいていた 三階の部屋からは背が高い樹の上のほうだけが見える 風が吹くたびに 激しく揺らいで 舞い上がる葉は黄金の風になる
来客を見送るため 階段を降りて玄関へ行ったついでに 裏口にある駐輪場のほうへ回ってみると 予想通り落ち葉が吹き寄せられていた 集めたって何にも出来ないけれど 摺り足で蹴散らしながら歩くと通り過ぎてゆく季節のにおいがした

f:id:mrcr:20181206212333j:plain